
【ヘルスケアコラム】30代から始める「メタボ対策の運動法」
皆さんは「メタボ」(メタボリックシンドローム)という言葉を聞いてまだまだ大丈夫、と思っていませんか?
一般的に企業や自治体が行うメタボ健診や保健指導は、40代からが対象であることが多いようです。ただ、現在は30代でもメタボの兆候が見られる場合もあることから、健診を30代からでも推奨している企業があるようです。健康診断の結果にドキッと感じたときはすでにメタボの入口なのかもしれません。
体型維持のために「メタボ腹」は避けて通りたいものですが、やみくもにお腹だけを鍛えてもメタボ腹の解消にはすぐには繋がらないこともありますので、今回は「30代から始めるメタボ解消運動法」をご紹介します。
メタボの何が危険?その基準とは

「メタボになると危険だ!」とはよく言いますが、いったいメタボの何が危険なのでしょうか。
厚生労働省の『e-ヘルスネット』(※)によると、メタボリックシンドロームは以下のように定義されています。
つまりメタボはそれ自体が病名なのではなく、複数の危険因子が組み合わさった状態のことを指します。例えば、高血圧は血管への負担が高くなったり、高血糖は血管への刺激を増加させたり、脂質異常症(高脂血症)は血液の流れを悪くさせたりと、それぞれのリスクが動脈硬化や心筋梗塞の原因になりうるというわけです。
また、これらの因子が体にあるとき、目に見えて現れやすいのがポコッとしたお腹。そのため、「メタボ腹」などと言われることが多いのです。逆に言えば、単に太っているだけではメタボとは呼ばないこともあります。

このメタボ腹を解消するためにはどうすればいいのでしょうか。お腹周りをすっきりさせたいなら、腹筋運動で引き締めるというのが一般的な気がしますよね。しかし、メタボを解消するためには、腹筋だけでは不十分です。なぜなら、メタボの解消には「部分運動」ではなく「全身運動」が必要だからです。
一見、お腹に効果がありそうな腹筋運動でも、脂肪を減らすとなるとその運動量では物足りないものとなってしまいます。
また、筋トレをやめてしまう理由のひとつとして「やってみたけど効果が出ない」という声をよく耳にします。上記のように、結果に繋がらない努力をしてしまうこともモチベーションが低下する原因のにななります。
脱・メタボのために取り組むべきなのは「全身運動」

まず、メタボ解消のためにおすすめしたいのは「全身運動」です。全身運動は腹筋トレーニングのような部分的な運動より多くのエネルギーを消費します。
運動を行うときは筋肉を活発に動かす為、一時的に体の血圧が上がります。上がった血圧は今度はそれを下げるためのホルモンが働きますが、有酸素運動を続けることでそう言ったことが繰り返し行われ、血圧上昇が緩やかになり高血圧症の改善に繋がっていきます。
また、人間が体を動かすためには酸素の他に「糖」や「脂肪」も必要なため、全身運動によって多くのエネルギーを消費することで、高血糖や脂質代謝異常の改善も期待できるでしょう。
全身運動の多くは「無酸素運動」と呼ばれる筋トレよりも、長時間運動を持続させる「有酸素運動」であることがほとんどです。例えば身近に取り組みやすい物の中ではスイミングや縄跳び、ウォーキングなどがこれにあたります。
おすすめ「HIITトレーニング」
全身運動の中でも特におすすめしたいのが「HIITトレーニング」です。
HIITとは「High Intensity Interval Training」の略で高強度インターバルトレーニングと訳されます。フィットネスの本場アメリカでも長きにわたってフィットネストレンドとなっている人気のプログラムです。
短時間の高強度トレーニングと適度な休息を繰り返し行うことで、運動中はもちろん、運動後にも脂肪が燃焼し続ける(=アフターバーン)効果があると言われています。まとまった運動時間が取れない方も、このHIITトレーニングを集中的に行えばOK。お仕事や日常生活の中でも、少しの時間で効率的に脂肪を燃焼させながら過ごすことができます。
このように短時間で行えるので、メタボ解消したいけど運動が続かないという方にも取り組みやすくなっています。
燃焼を底上げ!大筋群トレーニングもやってみよう

脂肪を効率よく燃焼させるためには運動内容が大事だとお伝えしてきましたが、他にも体の代謝を上げることが重要です。
また、代謝を上げるためには筋肉が必須です。筋肉が多い人の方が1回あたりの動作に多くのエネルギーが必要になります。そのため、多くの糖や脂肪が使われるのです。筋肉にパーツによって大・小のサイズが異なので、より大きな筋肉を鍛えて、代謝アップを目指しましょう。
大きな筋肉の代表的な部位は「胸」「背中」「脚」などが挙げられます。
自宅で器具を使わずにフロアエクササイズ行う場合は、15~20回×3~5セットを目安に行いましょう。ジムでトレーニングマシンは使える場合は10回×3~5セットを目安にしてみると良いでしょう。
HIITトレーニングでの燃焼効果を、より引き立ててくれること間違いなしです。
いかがでしたか?もしメタボ腹に悩まされていたとしても、それは時間を経て体に付いてしまったもの。生活の中に全身運動を取り入れることができれば、きっとメタボを卒業できるはずです。メタボ解消を頑張るのもひとつですが、これを機に「食べたら動く」の習慣をつけてみるのも良いかもしれませんね。