
【ヘルスケアコラム】ストレスを感じたらしたいこと
ガムを噛む
辛いときや悔しいとき、無意識に歯を食いしばることがありますよね。実はこの歯を食いしばる=噛む行為は、心身のストレスを軽減してくれることが、最近の研究でわかってきました。同様の効果を得られるのが、そう、「ガム」なのです。噛むことは、歯や顎を動かすだけの単純な運動ではなく、脳内で高度な統合機能が関与して成立する運動と言われています。脳の活性化だけでなく、脳内に快感物質の分泌を起こし、安心感や幸福感も呼び起こすそうです。20分以上噛む方がより効果的とのデータもありますから、ぜひ味の長持ちするガムをチョイスしてください。
肉を食べる
心身の疲労に大きく関わっているのがタンパク質。タンパク質が不足すると、脳のパワーが落ち、健全な思考パターンが生まれなくなります。そんな大事なタンパク質を多く含むのが、「肉」。肉はアミノ酸の構成が人体に最も近い、貴重で効率のいいタンパク源です。20種類で構成されるアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類は「必須アミノ酸」といい、食事から摂らなければなりません。この必須アミノ酸を一番多く摂れるのが、肉なのです。特に、牛肉には「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやアナンダマイドを多く含んでいることから、人を幸せにする効果も指摘されています。
机を掃除する
仕事や勉強に対する気力が落ちているなと感じたときは、今していることからとりあえず離れてみることです。仕事や勉強を放って遊びに行くわけにもいかないですから、そんなときは机周りや部屋の掃除がおすすめです。実は掃除には、こんなメリットが潜んでいます。
① 体を動かすことで脳の血流がアップする
座りっぱなしで滞っていた血液が体を巡り始め、頭がすっきりします。
② リフレッシュする
掃除をして机の上が整理整頓されると、脳内までスッキリします。先ほどまで格闘していたテキストも完全に片付け、リセットする感覚を味わうことが大切です。
③ 周囲から褒められる
部屋を掃除していると褒められます。おやつをもらえたり、うれしいご褒美もあるかもしれません。
ヘルスケアコラム
「城南医志塾」顧問医師
医師・医学博士・経営学修士(MD・Ph.D・MBA)
裵 英洙 (はい えいしゅ)
1972年奈良県生まれ。かつては外科医として胸部手術を中心とした診療に従事。現在は「ハイズ株式会社」代表取締役として勤務する傍ら、慶應義塾大学医学部など教育現場でも教鞭をふるう。著書に「なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか」「医療職が部下を持ったら読む本」など多数。